1.玄米について

皆さんはお米を食べる場合、白米または玄米のどちらにされますか？
玄米と言ったら健康や栄養素が豊富といったイメージが強いと思います。実際に玄米は白米に比べてビタミンB1は約8倍、ビタミンB2は約2倍、ナイアシンは約4.5倍、カルシウムは約7倍、鉄は約6倍、食物繊維は約4.7倍となっております。

⚫︎玄米のその他成分
・γｰオリザノール
ポリフェノールの一種でシワやシミの予防効果
・フィチン酸
排毒排泄作用、抗酸化作用、老化予防効果
・GABA
リラックス効果
・フェルラ酸
抗酸化作用、脳神経保護作用

また玄米は白米に比べてGI値が低いので食後血糖値の上昇も緩やかになります。ダイエットをされる方や血糖値を気をつけなければいけない方にとっては嬉しいですね。
玄米を食べることでの研究では高血糖の改善、BMI、体重、血圧の減少、総コレステロール、LDLコレステロールが減少、便秘の改善で強い有効性が示されました。しかしどの研究でも4週間〜8週間程度での研究であることから継続した食事内容が大切なので1〜2週間で表れるものではありません。

2.玄米のエビデンス

⚫︎γｰオリザノール
γｰオリザノールの2型糖尿病に対する有効性を解明した動物実験では、膵β細胞における小胞体ストレスの亢進を抑制、膵β細胞の新生または再生を促してインスリン分泌能を高めます。
また中枢神経を介すことなく、膵β細胞に直接作用し、インクレチンに依存せずにグルカゴン応答性のインスリン分泌を促進したり、膵β細胞からのグルカゴン分泌の抑制に働きます。
脳機能に対する有効性を解明した動物実験では、脳視床下部における炎症や小胞体ストレスを緩和したり、ドーパミン受容体機能を高めたり、アルコール依存の改善に働きます。

⚫︎フィチン酸
フィチン酸はミネラルの吸収を阻害するので玄米食否定派の意見もあります。フィチン酸は鉄や亜鉛などのミネラルと結合しますが、種子内では100％何かしらのミネラルと結合しているフィチン酸塩の状態となっています。元々結合しているミネラルの吸収は低いですが、結合していない他の食品のミネラルまで吸収するリスクは低いと考えられております。
糖尿病患者33名を対象にフィチン酸を1,140mg/日を12週間摂取することで、AGEsとHbA1cが有意に低下するというデータがあります。