1.症状と原因

思春期の女性に多く発症するため、外見の問題から精神的ストレスを感じやすくなります。側湾症には右凸、左凸があり、多くの方の側湾が胸部右凸という傾向があると言われ、胸部左凸は遺伝的要因が大きいとも言われております。側湾症は痛みやこわばりを伴うことはほとんどありません。胸椎の側湾変形は胸郭の形にまで影響を及ぼし、重度になると呼吸機能にも影響を与えます。側湾の原因はいまだに明らかになっていませんが、遺伝、中枢神経、代謝、内分泌異常、生体力学など諸説あり特定はできていません。

胸椎側湾に伴い、胸郭の変形が起きるのですが、前額面では凸側の胸郭は広がり、凹側の胸郭は潰れてきます。水平面では凸側の胸郭は背側に突出し、凹側の胸郭は平坦化します。胸郭の突出は前屈することで観察でき、腰椎側弯においても椎体が回旋しているため、凸側に突出しているのが観察できます。
脊柱の側湾に伴い、体幹の筋長に不均衡が生じます。胸椎右凸側弯では、右の胸部脊柱起立筋や肋間筋が伸長し左側が短縮します。腰椎左凸では左の腰方形筋や腰部脊柱起立筋が伸長し右側が短縮します。
胸椎に側弯がある場合、正中位より脊柱が側方に変位することで凸側の足に重心が乗りやすくなります。胸椎の側弯は胸郭の変形に連鎖して凸側の肩甲骨は前傾し、凹側の肩甲骨は後傾します。また腰椎の側弯では骨盤の傾きに大きな左右差が生じ、骨盤が傾くことにより、挙上側の股関節は内転、下制側の股関節は外転位になります。

2.ケアと予防

コブ角が20〜45度の側湾症には運動療法（ストレッチ、側湾修正エクササイズ）、徒手療法、装具療法などが推奨されます。コブ角が45度以上の側湾症や進行性の側湾症には、脊柱矯正固定術が推奨されます。脊柱矯正固定術は側弯の進行予防を目的に行われ、アライメント不良、呼吸機能低下、セルフイメージ低下の改善に効果があります。
側湾症へのアプローチは色々な視点からアプローチをしていく必要があるので、これだけをやっておけば良いというものではありません。運動、ストレッチ、装具以外にも座り方、寝方、インソール、マウスピース、視覚などにもアプローチをする必要があります。